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新井 太貴*; 吉越 章隆; 本橋 光也*
材料の科学と工学, 60(5), p.153 - 158, 2023/10
現在、Si酸化膜は絶縁材料として電子デバイスや生体材料に広く利用されている。この膜の原子結合状態は、各デバイスの特性に影響を与えるため、特に膜のSiとOの化学結合状態の理解と制御が必要となる。本研究では、極低濃度のHF水溶液を用いた陽極酸化によってSi基板表面に形成されるSi酸化膜をX線光電子分光によって分析した。Si2pおよびF1sスペクトルを中心に調べた。HF濃度がppmオーダであるにもかかわらず、膜表面にパーセントオーダのFを含んでいることがわかった。膜中にSi-FやSi-O-F結合が形成されたことを示唆する結果である。また、FとOの深さ分布が異なることから、FとOで表面反応プロセスが異なることが推論された。
白井 理*; 山名 元*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Proceedings of Nuclear Fuel Cycle Technologies Closing the Fuel Cycle (CD-ROM), 7 Pages, 2003/00
窒化物燃料の乾式再処理に関する研究成果をレビューする。起電力測定で求めたUN, NpN及びPuNの塩化物溶融塩中での平衡電位は、各々の窒化物に関する熱力学的諸量からの評価値とほぼ一致した。また、UN, NpN, PuNを陽極として定電位差電解を行い、陰極にアクチノイドを回収することに成功した。講演では、今後の研究課題についても議論する予定である。
谷口 直樹; 川上 進; 森田 光男*
JNC TN8400 2001-025, 27 Pages, 2002/03
炭素鋼オーバーパックの寿命評価では処分環境における炭素鋼の腐食形態を把握することが重要である。日本における地下水条件を想定した場合、第2次取りまとめにおいて設定された仕様の緩衝材中で炭素鋼は不動態化せず、全面腐食の進展する可能性が高いことがこれまでの研究により確認されている。しかし、軟岩系岩盤における処分では緩衝材のまわりにコンクリート製の支保工を施工することが想定され、緩衝材に浸潤する地下水のpHが高くなることによって、腐食形態に変化を及ぼす可能性がある。そこでコンクリート材料として普通ポルトランドセメントおよび低アルカリ性セメントを用い、アノード分極測定によりセメントと接触した水溶液中での炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次とりまとめにおける緩衝材の仕様において炭素鋼が不動態化するのは外部から浸潤する地下水のpHが約13以上の場合であり、支保工として低アルカリ性セメントを使用すれば炭素鋼は不動態化しないことが確認された。また、緩衝材の因子(乾燥密度とケイ砂混合率)に対する炭素鋼の不動態化条件を検討した。その結果、第2次取りまとめにおいて設定された緩衝材仕様は十分に裕度をもって炭素鋼が不動態化せず、全面腐食を受ける領域にあることが確認された。
小原 建治郎
原子力eye, 48(2), p.46 - 48, 2002/02
ITERの容器内遠隔保守装置の耐放射管理を必要となる高線量率・高照射量測定が可能なカラー線量計の開発を進めている。本線量計は、陽極酸化アルミニウムの被膜中にアゾ系染色を含浸させたもので、線照射による線量の退色の度合いを分光式色差計にて、マンセルの色立体に基づく色相/彩度,あるいは明度として測定する。本稿では、開発の背景,特長,試験の概要,今後の展開について平易に解説した。
小原 建治郎
放射線と産業, (92), p.56 - 60, 2001/12
高線照射下(1~10kGy/h)で長期間使用されるITER用遠隔保守装置の照射量測定が可能な線量計を開発した。線量計は、測定範囲が1MGy以上で、それ自体が耐放射性を有することのほか、取り扱いが容易で低価格,狭隘部への取り扱いが可能でなければならない。このための線量計として、陽極酸化アルミニウム被膜中にアゾ系染料を含浸させ、照射量による染料の退色変化を分光式色差計で測定し、照射量を求める線量計を開発した。これまでに、線量率10kGy/hで15MGyまで測定できる線量計を開発したが、さらに高照射量測定を目指すとともに低線量率,低照射量対応の線量計の開発も進めている。
白井 理; 飯塚 政利*; 岩井 孝; 鈴木 康文; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(8), p.676 - 681, 2000/08
窒化物燃料サイクルへの乾式法の適用を念頭においてNpClを含むLiCl-KCl系でのNpNの電解挙動を検討した。サイクリックボルタモグラムの解析よりNpNの溶解反応は非可逆で遅いことが判明した。ただし、NpNがNpとして溶解し始める電位は理論的に導出された値に近かった。さらに、低電位及び低電流印加によるNpNの電解実験を行い、約0.5gのNp金属を回収することができた。電析物は塩と金属の混合体であるので、800に加熱し1時間保持することにより、塩と金属を分離した。
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 鈴木 康文
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
原研における窒化物燃料サイクルに関する実験研究の最近の成果を紹介するものである。照射挙動に関しては、JMTRにおける照射試験により基礎的な燃料挙動を把握したのに引き続き、2本の(U,Pu)N燃料ピンが高速実験炉常陽で現在照射中である。約4.7%FIMAの燃焼度達成後、11年度後半からは照射後試験の開始が予定されている。高温特性に関しては、アクチニド窒化物相互の固溶体以外に、ZrNあるいはTiN等の不活性母材を含む窒化物燃料の調製条件の確立及び熱伝導度の評価等が行われた。また、新規装置を用いた熱容量及び熱膨張の測定に着手した。溶融塩電解に関しては、塩化物共晶塩中におけるNpN及びPuNの電解試験が行われ、電気化学測定により陽極溶解機構を調べるとともに固体陰極においてアクチノイド金属の回収に成功した。
not registered
PNC TJ1150 98-002, 89 Pages, 1998/02
オーバーパック表面近傍でベントナイト含水比の局所的不均質が生じることが予想されるが、これに起因して、アノード/カソードの場所的分離が成立し、腐食の局在化から活性態/不働態電池の形成に至る可能性が懸念される。本研究では、この可能性の有無を評価するための試験方法の妥当性、試験装置の最適化を実施した。数種の試験セルを作製し、妥当な試験ができる試験装置を作製できた。この装置では、短絡電流の経時変化を、試験片電位の経時変化と共に測定することが可能である。また、中心部が高含水比ベントナイト、周辺部が低含水比ベントナイトの時、中心部の炭素鋼試験片がアノード反応を担うことになり、周辺部の大カソードによりマクロセル腐食が達成され、腐食速度は海水中における炭素鋼の定常腐食速度の数倍に達した。
not registered
PNC TJ1150 98-001, 25 Pages, 1998/02
オーバーパック表面近傍でベントナイト含水比の局所的不均質が生じることが予想されるが、これに起因して、アノード/カソードの場所的分離が成立し、腐食の局在化から活性態/不働態電池の形成に至る可能性が懸念される。本研究では、この可能性の有無を評価するための試験方法の妥当性、試験装置の最適化を実施した。数種の試験セルを作製し、妥当な試験ができる試験装置を作製できた。この装置では、短絡電流の経時変化を、試験片電位の経時変化と共に測定することが可能である。また、中心部が高含水比ベントナイト、周辺部が低含水比ベントナイトの時、中心部の炭素鋼試験片がアノード反応を担うことになり、周辺部の大カソードによりマクロセル腐食が達成され、腐食速度は海水中における炭素鋼の定常腐食速度の数倍に達した。
吉田 善行; 木原 壮林
Analytica Chimica Acta, 172, p.39 - 47, 1985/00
被引用回数:7 パーセンタイル:43.07(Chemistry, Analytical)ニッケル基材-水銀薄膜電極(Ni-TMFE)を重金属イオンの陽極溶出ボルタンメトリー(a.s.v.)に適用するため、同電極の電気化学的特性を調べた。Ni-TMFEでの水素過電圧は、他の金属基材-TMFEのそれより高く、また鉛,カドミウムの定量性のよいa.s.v.peakを得るためにも充分高い。Ni-TMFE上の水銀膜は、機械的,化学的ともに安定で、作製後300時間内に、50回のa.s.v.測定に用いたのちの電極でも、再現性のよいa.s.v.の結果が得られた。鉛,カドミウムの定量下限はそれぞれ510,210Mであり、510M鉛,カドミウムを5回繰り返し測定したときの相対標準偏差はそれぞれ11,12%であった。
Qiao, Y.*; 新井 太貴*; 鈴木 俊明*; 吉越 章隆; 丹羽 雅昭*; 本橋 光也*
no journal, ,
単結晶Siウェーハ表面を陽極酸化することで作製した太さ1m程度のロール状構造体は、さまざまなデバイスに応用できる可能性がある。本研究では、ロールの太さ及び長さを制御することを目的に、陽極酸化前のSi基板の表面状態が与える影響を検討した。陽極酸化前のPtコートがロールの太さを制御する上で有効であることがわかった。さらに、この結果が不純物添加の種類に影響を受けないことがわかった。以上の知見は、構造体の大きさや形状を自由に制御したデバイスの開発を行うことができる可能性を提示するものである。
新井 太貴*; Qiao, Y.*; 鈴木 俊明*; 吉越 章隆; 丹羽 雅昭*; 本橋 光也*
no journal, ,
本研究では、p型Si基板上の酸化シリコン層を陽極酸化した後の表面形態と陽極酸化時間の関係を明らかにした。陽極酸化に極めて希薄なHF溶液を用いることで、ユニークなメソ材料(Siロール)が形成される。陽極酸化中の電極間抵抗は、最初、陽極酸化時間の増加とともに増加し、その後、一定値になった。しばらくすると、再び徐々に増加した。この抵抗値は、Siロールの形成とその数を制御するための重要なパラメータと考えられる。
新井 太貴*; Qiao, Y.*; 鈴木 俊明*; 吉越 章隆; 本橋 光也*
no journal, ,
Si酸化膜は絶縁材料として電子デバイスや生体材料に広く利用されている。この膜の原子結合状態は、各デバイスの特性に影響を与えるため、膜中のSiとOの化学結合状態を制御することが必要となる。本研究では、極低濃度のHF水溶液を用いた陽極酸化によってSi基板表面に形成されるSi酸化膜をSi2pおよびF1sを中心にX線光電子分光によって分析した。HF濃度がppmオーダであるにもかかわらず、膜表面にパーセントオーダのFを含んでいることがわかった。膜中にSi-FやSi-O-F結合が形成されたことを示唆する結果である。また、FとOの深さ分布が異なることから、FとOで表面反応プロセスが異なることが推論された。